BMW・・・メーカー&ディーラーの安全性への姿勢に関する考察~第4回 【ユーザーズマニュアル】 [BMW R1150RT]
※ この記事は連載ですので、初めてご覧頂く方には、何の話かわからないと思います。よろしければ、どうぞ最初からご覧ください。 → 連載スタート記事へ
【2007年12月06日(木)】
【クレームとシリアスな回答】
私は「こういう常識的に考えられないようなトラブルはクレーム対象になるのではないか?(つまり、製品の欠陥ではないか)・・・仮に私がエンジンを切り忘れてアイドリング状態であったとしても、走れなくなるような状態になるのは常識的にありえないんじゃないですか?」と主張しました。
しかし、それに対するY工場長の回答は、「この場合の損害は、メーカーに責任は一切なく、100%ユーザーの管理不行届の責任です」というものでした。
腹の立つ回答ながら、この回答にはそれなりに根拠があります。
【オーナーズマニュアル】
RTの【ユーザーズマニュアル】・・・つまり取扱説明書の54ページに次のような注意事項があります。
オーナーズマニュアル
「エンジンをアイドリングにしたままにしないでください。オーバーヒート/火災の危険があります。エンジンを始動したら、ただちに発進してください。空冷エンジンをオーバーヒートやその他の損傷から保護するために、短時間のウォームアップであっても避けてください」
「警告」として記載されています。
確かに、この点を指摘されればオーナーである私に過失責任があると認めざるを得ないでしょうし、それ自体は否定するつもりはありません。
しかし・・・・・
取扱説明書にきちんと書いてある・・・とか以前の抜本的な問題として、このような危険をはらんだ製品を世に送り出していることはメーカーの姿勢としていかなるものでしょうか?
アイドリングのまま放置し、出火したRTのオーナーもいたそうです。(BMWジャパン担当者の証言)
「アイドリングで出火」するバイクが果たして安全な乗り物といえるのでしょうか?
【他には・・・】
インターネットでBMW RTに関して他に同じようなトラブルがないかを調べてみました。
『国土交通省 自動車交通局技術安全部審査課』が運営しているサイトです。
→ 自動車不具合情報一覧
RTに関する不具合情報
類似の不具合情報を挙げてみます。
2006年7月19日・・・当該車輌においてエンジンの焼きつきを起こしているものが多発している。ディーラーは多発は認めているが原因不明のため、メーカーに情報を上げて対応を待っているとのこと (R1150RT)
2006年3月9日・・・シリンダとピストンリングが固着して焼き付いた(R1150RT)
2006年の時点で、エンジン焼き付きが多発しているということがこの報告からもわかります。
ディーラーは果たしてメーカーに情報を上げていたのでしょうか?またメーカーは対応策を検討していたのでしょうか?
話戻って・・・・この日、Y工場長と私の間でいくつかの問答がありました。
次回以降、そのいくつかの問答をQ&Aという形で紹介していきます。
なお、この問答は「こんなことをいってたはず」という私のあいまいな記憶ではなく、後日確認のためにY工場長から文書で受け取った内容を転記したものです。
→ 第5回【Y工場長の回答-PartⅠ】につづく
【2007年12月06日(木)】
【クレームとシリアスな回答】
私は「こういう常識的に考えられないようなトラブルはクレーム対象になるのではないか?(つまり、製品の欠陥ではないか)・・・仮に私がエンジンを切り忘れてアイドリング状態であったとしても、走れなくなるような状態になるのは常識的にありえないんじゃないですか?」と主張しました。
しかし、それに対するY工場長の回答は、「この場合の損害は、メーカーに責任は一切なく、100%ユーザーの管理不行届の責任です」というものでした。
腹の立つ回答ながら、この回答にはそれなりに根拠があります。
【オーナーズマニュアル】
RTの【ユーザーズマニュアル】・・・つまり取扱説明書の54ページに次のような注意事項があります。
オーナーズマニュアル
「エンジンをアイドリングにしたままにしないでください。オーバーヒート/火災の危険があります。エンジンを始動したら、ただちに発進してください。空冷エンジンをオーバーヒートやその他の損傷から保護するために、短時間のウォームアップであっても避けてください」
「警告」として記載されています。
確かに、この点を指摘されればオーナーである私に過失責任があると認めざるを得ないでしょうし、それ自体は否定するつもりはありません。
しかし・・・・・
取扱説明書にきちんと書いてある・・・とか以前の抜本的な問題として、このような危険をはらんだ製品を世に送り出していることはメーカーの姿勢としていかなるものでしょうか?
アイドリングのまま放置し、出火したRTのオーナーもいたそうです。(BMWジャパン担当者の証言)
「アイドリングで出火」するバイクが果たして安全な乗り物といえるのでしょうか?
【他には・・・】
インターネットでBMW RTに関して他に同じようなトラブルがないかを調べてみました。
『国土交通省 自動車交通局技術安全部審査課』が運営しているサイトです。
→ 自動車不具合情報一覧
RTに関する不具合情報
類似の不具合情報を挙げてみます。
2006年7月19日・・・当該車輌においてエンジンの焼きつきを起こしているものが多発している。ディーラーは多発は認めているが原因不明のため、メーカーに情報を上げて対応を待っているとのこと (R1150RT)
2006年3月9日・・・シリンダとピストンリングが固着して焼き付いた(R1150RT)
2006年の時点で、エンジン焼き付きが多発しているということがこの報告からもわかります。
ディーラーは果たしてメーカーに情報を上げていたのでしょうか?またメーカーは対応策を検討していたのでしょうか?
話戻って・・・・この日、Y工場長と私の間でいくつかの問答がありました。
次回以降、そのいくつかの問答をQ&Aという形で紹介していきます。
なお、この問答は「こんなことをいってたはず」という私のあいまいな記憶ではなく、後日確認のためにY工場長から文書で受け取った内容を転記したものです。
→ 第5回【Y工場長の回答-PartⅠ】につづく
タグ:BMW R1150RT
はじめまして。
なかなか興味深い記事を書いてらっしゃいますね。
長らく国産を乗ってきた者ですが、外国車の中では、
筆頭でBMWバイクに関心持ち、メーカーとしても好意的に捉えております。
どのような展開になるか分かりませんが、
続きの記事もしっかり読み、将来の参考にさせていただきます。
by KENTA (2010-09-30 12:26)
KENTAさん はじめまして。コメントありがとうございます。
私自身は基本的にBMW社のバイクは気に入っています。
また数十年前のバイクであっても修理パーツがあるというBMW社のクラフトマンシップも評価すべきところでしょう。
私自身が完全無欠でない以上、バイクにも完全無欠を求めることは難しい注文だと思いますが、改善できることはきちんと反省して対応してくれればよいのですが・・・
もしかしたら、日本国内において私のようなトラブルが起きているのに、その事実がきちんと本国に伝えられていないのかもしれませんね。
私のようなヘマをしないように気をつけて(笑)『ハーフスロットル』で快適なバイクライフを送ってください。
by ひかるさんぺい (2010-09-30 14:02)
はじめまして
私もBMW R1150RTに7年間も乗り続けているライダーです。
私のRTは今の所、大きなトラブルもなく機嫌よく走ってくれてます。
記事を読ませて頂いて、とてもショックでした。非常に申し訳ないですが、記事を参考に今後の始動時のアイドリング気をつけます。
しかし、ディラーの対応も冷たいですね。
by ながさん (2010-09-30 23:36)
ながさん
はじめまして コメントありがとうございます。
私のRTも現在は、トラブルもなく元気に走ってくれています。
この記事が今後の参考になれば幸いです。
いずれにしても、アイドリングやオイル消耗には最新の注意が必要ですね。
>しかし、ディラーの対応も冷たいですね。
このあと更に驚愕?の真実が明らかになります。
なお、すべてのディーラーがそうであるとはいえませんので拡大解釈はご遠慮くださいね。
楽しいバイクライフを!
by ひかるさんぺい (2010-10-01 00:03)
はじめまして。
記事の中で「RTに関する類似の不具合事例」として挙げていらっしゃる330IM-Sportは4輪車ですので無関係ですね。「他の方の参考となるために」という理由でディーラーの経営者の方の個人名も掲載してお書きになるならば、不正確な情報でご自身のミスに関してだけ曖昧に表現する書き方は避けた方がよろしいのではないかと思います。「私も悪かったがディーラーの対応にはがっかりした」というシンプルなお話ならわかるのですが。
by オートバイ大好き (2010-10-02 08:09)
オートバイ大好きさん
>330IM-Sportは4輪車
そうだんったんですね。不勉強で失礼しました。
>ディーラーの経営者の方の個人名も掲載してお書きになるならば・・・
今回の事件への対応については、ディーラーの対応について問題視しています。ディーラーの対応はいかなる理由があろうと最終責任は経営者にる思いますので、経営者名は反省してほしいという意味で実名にした次第です。
なお、同ディーラーの公式サイトで実名は公表されているわけですから、仮名にしようと結果は同じでしょう。
>でご自身のミスに関してだけ曖昧に表現する・・・
私は、「エンジンを止め忘れたことは紛れもない事実」「マニュアルを読んでいなかった私に非はある」と書いているはずですが・・・
by ひかるさんぺい (2010-10-03 16:12)
オートバイ大好きさん
追記: 330IM-Sportの事例は削除しました。ご指摘ありがとうございました。
by ひかるさんぺい (2010-10-03 19:10)
こんばんは。
追記の件、恐縮です。おせっかいで失礼しました。
私が書いた「不正確な情報でご自身のミスに関してだけ曖昧に表現する書き方は避けた方がよろしいのでは」という意味は、最新記事に通りすがりの方(私ではありません)から指摘があったように「イチャモンつけてるだけ」と取られかねないと感じたからです。
切ったつもりだった、とか、アイドリング状態がどれだけ続いたかはわからない、うっかりしただけ、暖気運転は誰でもするはず...なんていう記載が続くと、「自分のミスを棚に上げて」という印象ばかりが強くなってしまいます。
「このあと更に驚愕?の真実が明らかになります。」なんていう書き方は安っぽいワイドショーの予告編のようですし。
端的に「アイドリングのまま放置してしまった、おそらく○○時間は経っていたはず、しかしその後の対応には不満があった」という話の方が読む人間にとっては参考になると思います。
by オートバイ大好き (2010-10-03 20:51)
オートバイ大好きさん
なるほど、確かに「自分のミスを棚にあげたクレーマーの愚痴」ととられるニュアンスがあるかもしれませんね。
なお、表題の「安全性への姿勢に対する考察」のとおり、この記事は単なる私の愚痴で書いているわけではありません。
とりあえずは最後までお読みになった上でコメントをいただけると幸いです。
by ひかるさんぺい (2010-10-03 23:10)
たくやさん
niceありがとうございました。
by ひかるさんぺい (2010-10-12 18:11)